完璧推人始祖

パーフェクト・オシジン

「じんるいのみなさまへ」がどうなのかお伝えします

「『じんるいのみなさまへ』ってどうなの?」

 この答えを探るために、ソフトを購入し一通りプレイしました。Amazonで安くなってて4,837円(定価7,538円)のゲームです。

 なかなか衝撃的だったので、さくっと感想を書き残しておこうと思います。

 

 なぜか荒廃した秋葉原で女の子たちがゆる~いサバイバル生活を送るガールズアドベンチャーゲームです。(公式サイト

ゲームシステムについて

 公式サイト「システム」に記載のある下記のワードを用いてゲーム性について説明しなさい。(50点)

秋葉原、探索スポット、サバイバル生活、美味しいご飯、体調管理、一日の流れ

 

◆探索

 荒廃した秋葉原を探索することになるのですが、地図に現在地・目的地表示がありません。頼るべきは簡単な地図と己のアキバへの土地勘のみ。 

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地図はこれだけ

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拠点への入り口も極めてわかりづらい

 次の目標は見られるので「〇〇に行こう!」と表示されているときはまだいいのですが、「探索しよう!」なんて言われたときにはもうオシマイ。目的地とその他探索スポットの区別がないこともよくあり、目的地がわからないまま、ボケボケの秋葉原を走り続けることになります。

 なお、走るにはRボタンを押さなければならないので両手使用必須、足も遅くて(体感としては実際の秋葉原を早歩きしてるぐらいの気持ち)、その苦しみはまるで金剛嘴烏処。

 

◆破綻した「行動時間」システム

 本作は一日の行動時間に制限があり、素材採取や罠設置など、アイコンを調べる際に時間が経過していきます。システムの売りにされている「サバイバル生活」「美味しいご飯」「体調管理」は全て、「行動時間の短縮」に繋がります。

 しかしこの行動時間、一日の時間が終了しても何のペナルティもないので、短縮されることでのうまみが一切ありません。

 さらに、サバイバル生活」「美味しいご飯」「体調管理」の意味がない=素材を集めることでのメリットがないので、そもそも時間を消費するコマンドの意味が一切なくなります。うーん、虚無。

 公式サイトに「一日の流れ」として、探索したりして過ごそう!的な記載がありますが、システムが不便すぎてそんな気も起きず、ただただ次の百合展開を求めて走り続けることになります。

 

◆ちょっと気になったところ

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UDX」から「EDION」まで行くことになります

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地図に方角の記載がないので方角で示されても、、感はある

 ホテル(UDX)からプラネタリウムEDION)まで行くのに、北東…?

  ①地図基準(地図の上が北)とすると、北西にあるはずです

  ②リアル秋葉原基準(地図の右が北)とすると、南西にあるはずです

 うーん、凡ミス。

 

ノベルゲームとして

 キャラがすごく好きです。百合としては上質です。男性キャラを一切出さないなど*1、こだわってる部分も多いようです。

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かわいい

 シナリオも悪くないと思います。が、明らかに何かが足りていないな、と違和感を感じることになります。その答えはDLC2周目で追加要素入りの真EDが見られることになるようです。

 そりゃあ1周目では物足りないわけです。6人いるはずの仲間のうち、5人しか目覚めないままストーリーが進行していくんですから。(作中に私たち6人だよね?あれ?という描写がありますが、なあなあになって進んでいきます。これ百合を楽しむゲームなので、奇数だと1人余るんですよね。)

※2周目未プレイなので認識違いがあったら ゴメンナサイ

 

制作体制について

◆スタッフの少なさ

 スタッフロールの短さに震えます。

 プログラマ:3名、プランナー:3名、グラフィック:2名、UIデザイン:1名

 グラフィック協力やらシナリオ制作の外注やら、サウンドチームやら、デバッガーの外注やら、もっと多くの人が携わってできていることは言うまでもありませんが、、、最新機種マルチプラットフォームの完全新作のスタッフでこれは、ね。

 

◆発表から発売までの期間の短さ

 初報がおそらく2月12日のこの記事。発売日が6月27日なので、発表から4か月での発売となります。まあ、制作自体がいつから進んでいたのかはわからないので、これに関しては何とも言えません。

 

おわりに

 ディレクターも「ごく一部」に刺さればいいと書いていますし*2、万人受けするゲームではないのでしょう。こういうパンチの効いたゲームが市場に出てこられるのも健康的で業界のあるべき姿だと思います。

 ただ、少なくとも僕としては、アドベンチャーゲームを楽しみたい人にはお勧めできません。プレイヤーが出来ることって「秋葉原の街を走る」だけなので。そこにはプレイヤーが介入出来る隙間が一切ない。ルート分岐も勿論ない。インタラクティブ性が一切ない。

 なぜかって?これは百合を楽しむゲームなので、男性(である可能性がある)プレイヤーはそこに入り込んではいけないからです。面倒な探索も、ボケボケの秋葉原も、全て百合を楽しむためのエッセンス。それ以上でもそれ以下でもないんです。

 ということでこのゲーム「媒体はなんでも構わない。上質な百合を眺めていたい。」という人には楽しんでいただけるのものなんじゃないかな、と考えています。

 

これが僕の「『じんるいのみなさまへ』ってどうなの?」への答えです。

 

※補足

目的地がわかりずらい問題は修正が入るようなので、それが出たらDLCの2周目プレイしようと思います。